平成29年度、私が東北大学病院精神科に入局すると、「来年どうしたい?」といきなり訊かれました。入局者は最初の1-2年を大学病院で学んだ後、2年間の関連病院での研修を行うのが通常のようです。というのは、大学病院の精神科病棟には40床しかなく、身体疾患の合併例が相対的に増えて症例が偏ることがあるためで、それを各自の経験に合わせながら多角的に補足するべく関連施設での研修で多角的に補足しているようです。したがって、指定医症例や専門医症例の不足に悩むということは少なくともここ数年以上ないとのことです。

 今年は同期がやや少なめの4名、もう少しいれば良いのですが、これはこれで結束が強まってお互いに助け合いながら研修しています。

 来年、あるいは再来年に研修できる関連施設には、依存症やパーソナリティ障害の専門機関、精神科救急の中核病院、児童・思春期の専門機関、認知症の専門機関、リエゾン・合併症治療に特化した総合病院などがあり、いろいろと迷って悩んでいる最中ですが、そもそも大学病院の研修だけでもとても幅広い症例が集まり、勉強が追いつきません。ただし、こうした点も諸先輩方が丁寧に教えてくれますので、診療に支障が出ることはありません。数年後に私が同じ立場になると思うと、少し不安ですが……。

 医局内の仲も良く、医局対抗野球大会、暑気払い、芋煮会、スキー合宿などのイベントも(もちろん強制ではなく希望者のみ)例年開催されています。

 ところで、冒頭の「来年の研修」ですが、これを書いている途中、私はもう一年、大学病院で研修したい気持ちになりました。入局をお考えの皆様、お気軽に見学にいらしてくださいね。一緒に働けるのを楽しみにしています。
(後期研修医 M. M)


 平成29年度に入局したばかりですが、この医局の後期研修の充実ぶりに早くも感動しております。

 入局直後、精神科では、器質性精神疾患、精神科救急、依存症などは各々集中的に研修を受ける必要があると先輩方から教わりました。なるほど、周囲を見渡してみると、これらをしっかりと押さえている先輩方ばかり、逆に言えば、こうした人材を安定して育てられるだけの研修制度が確立されているのだと思いました。また、こうした先輩方が診療の合間に丁寧に指導してくださるという、医局の和気あいあいとした文化もすごく快適です。

 当面は当直業務が気になるところですが、これも入局直後は免除され、未熟なうちは手に余る他科からの突然の相談に悩まされたり、対応困難な救急症例を一人で診療させられたりするようなことは、今のところ全くありません。それどころか、先日、突然救急科に呼ばれて困惑したことがあったのですが、その際にある先輩医師に相談したところ、すぐに助けてもらえました(お礼は出世払いで!)。

 就職後にいきなり外来や入院の患者を多数割り振られ、ひたすら実践の中での修業を重視するような「習うより慣れろ!」な医局もあるようですが、当科では、心理的な負担や日常業務をなるべく減らしながら、しっかりと勉強する時間を確保する方針のように感じています。
また、昨今は精神保健指定医に関連した問題が続出し、その取得がますます困難になってきておりますが、当科はその点もバックアップが万全にして磐石、指定医症例になりそうな入院をとるたびに、最初からレポートの作成を意識した論理的な診断と治療方針を打ち出すのみならず、退院時にはレポートの添削までしてもらえるほどです。

 もちろん、煩雑な専門医試験に対しても、入局直後から少しずつ丁寧に指導していただき、驚くべきことに全ての過去問に対して解答と解説が蓄積されています(私にもいつか作る番が回ってくるのでしょうが…。)。おかげで、公開されている昨年の問題を密かに解いてみたところ、記憶には自信のない私でも、既に四割程度正答できました(でも、やっぱり難しい…。)。

 最近は初期研修医の教育や学生の臨床実習にも力を入れているので、後進に対する説明の機会が多く、その点では(バカにされないように)気が抜けませんが、充実した毎日です。

 来年度も既に数人の入局が決まっていますが、諸先輩方からみて例年よりはやや少ないようです。このホームページを御覧の皆様、御入局を心よりお待ちしています!
(後期研修医 K. S)


 私が東北大学病院精神科に入局したのは平成29年4月である。北国で生まれ育ち、東北大学に進学したため、生来ゴキブリをみたことがない。ただし、同じ宮城県内でも、仙台からもう少しだけ南下すると生息しているようだが。

 大学卒業後、初期研修は地域の中核拠点病院で受け、県内種々の精神科病院への就職を考えた。他県でもそうであろうが、宮城県にも特色のある病院は多く、実際に見学したところ、やはりどれも魅力的だった。しかし、後期研修とはいえ、一度就職してしまうとその他の病院の治療体系を皮膚感覚で理解する機会は得難くなってしまう。煩悶の日々が続いたが、結局は大学病院の医局説明会で「いろいろ学びたい人は大学病院がお勧めです。同期を始め、人脈もつくりやすく、院外研修で各医療機関を1年単位で回れるほか、普段の勤務でも週に1日、関連施設への派遣があるからです。日本一の研修を保証します。」と聴き、これが決め手になった。
実際に働いてみると、大学病院では特に多種多様の症例を経験でき、派遣先では一般的な精神科診療にも触れることができる。これは相補性を包含した見事な研修体制であり、大学病院での研修の特権だろう。

 学年を同じくする同期の存在も大切だ。私とは異なる精神科救急病院や依存症専門病院に派遣されている彼ら彼女らとの雑談は、各自が得た直観や知識の耳学問であり、また、苦楽を共有できる存在があることのかけがえのなさを、初期研修同様、後期研修でも痛感している。入局時に教授から「同期は一生の友となり、葬式に出席するまでその関係は続く。」といわれたが、まさにそのとおりだと思う。なお、地域の精神科病院に就職した知己も複数いるが、いずれも同期はいない様子。

 平成16年の新医師臨床研修制度の開始により進路選択は多様化したが、それは同時に選択に迷う局面も増えたということでもある。私も若輩ながら学生や後輩からの助言を求められる機会が増えたように感じているが、その際、決断には相応の情報が必要でもあり、その目的からも当科への入局は十分な意味があると答えることにしている。

 その他、敷地内の医学部付属図書館は休日も午前7時から午後12時まで開館しており、ほぼ年中無休。新刊の入荷も早く、重要書籍は複数冊用意されており、数十台備え付けられた共用のパソコンでは各種論文の閲覧や印刷も可能。業務内容が広範で書籍代もかさむ研修期間においては、心強いことこの上ない。

 是非一度御見学を。
(後期研修医 A. W)


 私は平成29年度に杜の都であるところの仙台に転住し、東北大学病院の精神科に入局した。というのも、そもそも就職を考えていた某病院では精神科医が多く、相対的に症例が不足するのではないかと懸念したためである。というのは、いましがた思いついた表向きの理由であり、実際には夫の転勤によるものであった。

 まだ肌寒さの残る春、新幹線で東京方面から仙台に向かうと、最近新築したばかりでヘリポートまで敷設されている仙台市立病院の偉容が目に入ったあたりで、いなふゅーみにっで到着するなどとアナウンス、もうそこからはあっという間で仙台駅に着いた。駅舎内には牛タン通りに長い行列ができていたためこれを敬遠、さらに奥に進んですし通りで手頃なセットを注文して空腹感を減じると、財布の中身も必定、減じられている。正確には、散財というくらいだから散じられている。それでも、駅から大学病院まではタクシーでも千数百円、途中、ケヤキ並木に囲まれた定禅寺通りの木漏れ日が穏やかだった。

 こうした経緯で入局を果たすと、何故だかかなり丁重な扱いを受け、最初は外来も入院も当直も免除、数日間の丁寧なオリエンテーションを受けて準備万端、となったところで徐々に診療開始。これまた丁寧な指導解説付きである。質問すると、専門医試験の関連問題を手渡されることもあり、これにも先輩の解説がつけられている。なんとなれば、編集して発行すれば医局費の足しになりそうである。

 ところで、仙台に来た当初、初期研修も終わったことだし、新たな趣味をもとう、と思った。東北地方を観光して回ろうと思った。温泉に行こうとも思った。だが、やめた。その検討の過程を仔細に記すと、くだくだしくなるというか、膨大な分量になってしまうため割愛するが、結論からいうと、真面目に研修に取り組むことにした。というのも、趣味などは「あー、楽しかった。」で終わることが大半だが、ここの研修では世話焼きな先輩が多く、ことあるごとに参考図書を紹介されたり、関連文献を渡されたりして具体的な助言を頂戴しているので、担当症例を思い浮かべながらこれらをこなす方が楽しかったからだ。まあ、楽なことばかりではもちろんないが、世間一般でやりがいとか充実感などといわれる感じ?が充溢している。スポーツにおける負荷漸増の原則よろしく、研修も少しずつ適度な課題を与えて無理なくこなせるように指導プログラムを随時更新中なのだとか。

 そうこうしているうちに早くも3か月が過ぎた。その間、静かに本棚が埋まっていった。私はその軌跡をみるにつけ、入局は必然だと思うようになった。そして、来年度の入局者も多いと良いなと思った。
(後期研修医 M. S)


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