児童思春期グループ

(冨永、小林、黒羽、田中、菊地、近藤、工藤、本多、本間)

児童思春期精神医学は、こどもが呈する情緒や行動の問題/発達/精神病理のみならず、両親やきょうだいの問題、学校や福祉的な問題をトータルに捉え、対応せねばならない領域です。

 最近は、発達障害(自閉症スペクトラム)に脚光が当たっていますが、我々は、それに留まらず、従来の神経症圏、行為障害、さらに小児外科・教育学部臨床心理学科・精神科とで連携した子供と家族のトータルケア、産科や助産師外来でのメンタルケアや研究など、様々な分野を対象としています。先天性の疾患を持って生まれた子どもや家族、ターミナルケア、臓器移植に関わる問題など、現代医療の中では様々な精神医学的問題が生まれており、なすべき仕事は多いと感じています。内因性の精神障害と異なり、様々な家族力動、発達、病気や治療によるトラウマの影響など、子どもと家族を多角的にとらえる必要があり、多面的で柔軟なアプローチが求められます。

そこで我々は、通常の薬物療法、精神療法だけではなく、箱庭療法や描画法などの表現療法、TFT(Thought field therapy、思考場療法)、さらにはロゴセラピーの考えを取り入れつつ、視野の広いアプローチを心がけています。

グループの本多は、日本児童青年精神医学会を中心とした「専門医療従事者の養成のための実施研修プログラム開発に関する研究事業」にも携わっており、若い先生のご意見を取り入れながら、児童精神科医を養成するためのよりよいシステムを作りたいと思っています。

2009年春から、臨床教授の一人に、宮城県こども総合センター所長の本間博彰先生が就任されました。今後の臨床、研究、教育のさらなるレベルアップのため、こどもセンターとも連携していきたいと考えています。

臨床

精神科外来、入院診療 産科/助産師外来での妊産婦のメンタルケア 小児外科でのこどもと家族のメンタルケア 他機関でのこどもの診療(大崎市民病院メンタルケア科:近藤 宮城県立こども病院児童精神科:菊地 仙台市児童相談所:小林、本多)

研究

小児外科をフィールドとした臨床研究(本多) (三菱財団より研究助成) 周産期メンタルヘルスをフィールドとした臨床研究(菊地)

教育

関連機関での研修(宮城県こども総合センター) 日本児童青年精神医学会認定医取得のための指導(実地、論文) 学会発表、論文執筆のための指導 仙台こどものこころ研究会への参加

業績

(論文・著書)

  • 本多奈美、和田基、佐々木英之、他:精神医学的問題を呈した小腸移植レシピエントの2例、日本小児外科学会雑誌、45(6),2009(印刷中)
  • 本多奈美:乳がん患者へのロゴセラピー、精神療法、35(4),2009(印刷中)
  • 本間博彰(編集、分担執筆):子どもの心の診療シリーズ5:子ども虐待と関連する精神障害、中山書店、2008
  • 本間博彰:乳幼児と親のメンタルヘルス 乳幼児精神医学から子育て支援を考える、明石書店、2007
  • 近藤直洋、舩越俊一、鈴木一正、他:一般精神科病棟で入院加療を行った反抗挑戦性障害の一例、精神科、10(2),168-172,2007
  • 本多奈美、工藤亜子、近藤直洋、松岡洋夫、他:小児がん・先天奇形患児と家族へのメンタルサポートー過酷な状況を乗り越えるためのロゴセラピーの導入、明治安田こころの健康財団研究助成論文集、p107-116,2007
  • 本多奈美、工藤亜子、舩越俊一、他:小児固形腫瘍のサバイバーと家族の心的外傷と情緒行動上の問題についてーメンタルケアと予防のシステム樹立のための基礎的研究、明治安田こころの健康財団研究助成論文集、p120-128,2006
  • Syunichi Funakoshi, Junko Hayashi,Takamichi Kamiyama, et al: Psychosocial liaison-consultation for the children who have undergone repair of imperforate anus and Hirchsprung disease,J Pediat Surg,40(7):1156-1162,2005
  • Syunichi Funakoshi, Junko Hayashi, Takamichi Kamiyama,et al: Social adaptation of children with congenital fecal dysfunction: from the viewpoint of the mother-child relationship, Tohoku J.exp. med.,206:117-124, 2005

(学会発表)

  • 本多奈美:小腸移植にまつわる精神医学的問題について、第21回小腸移植研究会、仙台、2009
  • 本多奈美:生体肝移植のドナーとレシピエントの援助 母と子をつなぐ、第49回日本児童青年精神医学会、広島、2008
  • Nami Honda, Syunichi Funakoshi,Hiroo Matsuoka,et al: Psychosocial status of long-term survivors with childhood malignant solid tumors: meaning of cancer and logotherapy, 40th congress of the international society of paediatric oncology,Berlin,2008
  • Saya Kikuti, Hiroaki Honma: Universal intervention approach for the prevention and treatment of postnatal depression in Japan, WAIMH, Yokohama, 2008
  • 菊地沙耶、井藤佳恵、上野草太、他:思春期の重篤な自殺企図と家族背景に関する一考察、第10回東北児童青年精神医学会、2008
  • 佐藤晶子、本多奈美:母子関係へのアプローチにより症状改善をみた身体表現性障害一例、第10回東北児童青年精神医学会、2008
  • 田中則行:祖母への働きかけが有効であったと考えられた転換性歩行障害の男児の一例、第10回東北児童青年精神医学会、2008

(文責:本多奈美)

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